RELATION relayTalk Project

RELATION Talk Pre Event

RTPpre関連コラム:何も発言しちゃいけないと思ってた。

2011年7月2日(土)開催・RTPプレイベント(ゲスト:河北新報 編集委員 寺島英弥氏):関連コラム

東京から被災地に様々な支援物資が送られます。みんな、東京に足りないものは無いと思っています。意外と気付かれていない、東京にも足りていないもの。それは、「話し合う機会」だと思います。「今こそ話すべきこと」が、沢山あるということに気がつきました。(文/笠原名々子)


■家でニュースを集めて暮らした日々

3月11日に東日本大震災が起こって、就職のための選考も、友人との約束も、行く予定だったイベントも、全て延期になりました。友人からの「東京も今放射能がヤバいらしい」というメールを真に受けて、あまり外にも出る事もできず、家に籠ってテレビやパソコンにつきっきりで毎日過ごしました。今まで生きて来てこんな状況に陥ったことは無かったので、出来事を計る尺度も、事実を判別するフィルターも持っていなくて、仕方なく全てのニュースを無差別に丸呑みしていました。

■「募金と節電だけして、おとなしくして」

脳に情報が溜まる一方で苦しくて、本当のことを知っている人に直接話を聞きたくてたまらなくなりました。
それで、「何かできることはありますか?」「今、どう行動するのが正しいんですか?」と周りの大人に聞き回ったのですが、東京の大人に、「何の技術も無い学生が被災地に行っても、役に立たなくて逆に迷惑がかかる。募金と節電だけして大人しくしていてください」と言われました。

「それでも何かできることはありませんか?」とまた聞き回ったら、今度は東北の大人に、「まだ若いのだから、今は世の中をよく観察して勉強して、日本の将来に役立ててください。二度と同じことを繰り返さないように」と言われました。
わたしは素直にその言葉に従って、悔しいけど今は世の中を知ることに徹しよう、と決めました。

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